MT70 AM21-40

MT70

21 正常な神経細胞の静止膜電位[mV]はどれか。
1. +30
2. 0
3. -50
4. -70
5.-100

解答…4
静止膜電位は−90〜−60mV。平均すると−70mV。
刺激されて興奮すると、+30mVまで上昇する。

22 手の筋力低下を認める患者における正中神経の運動神経伝導検査の記録(別冊
No. 5)を別に示す。誤っているのはどれか。なお、図中の破線は正常波形を示す。

1.遠位潜時延長
2.伝導速度低下
3.伝導ブロック
4.異常な時間的分散
5.複合筋活動電位振幅低下

解答…1
・反応の起始点(基線からの立ち上がり)は同じであるため、遠位潜時は異常なし
・腋窩刺激において正常波形よりも伝導速度の遅延および異常な時間的分散が見られる
・手関節、肘窩刺激において正常波形よりもCMAPサイズが小さい
・遠位より近位での刺激においてCMAPサイズが半分ほどに低下している(伝導ブロック)

23 健常成人の脳波でみられるα 波で正しいのはどれか。
1.開眼で抑制される。
2.振幅は一定である。
3.前頭部に優位である。
4.精神的負荷で増強する。
5.加齢で周波数が高くなる。

解答…1
α波の特徴
・8〜13Hz、30〜50μV
・漸増漸減現象によって振幅は一定ではない
・後頭部に優位
・左右差なし
・減衰(抑制)は開眼、精神活動によって起こる
・加齢によって徐波成分(振幅が低く、周波数が規則的)が多くなる

24 超音波検査で誤っているのはどれか。
1.周波数1~20MHzの超音波が用いられる。
2.距離分解能は超音波の周波数が高いほどよい。
3.連続波ドプラ法は高速血流の測定に適している。
4.深部の描出は超音波の周波数が高いほど有利になる。
5.方位分解能は電子フォーカスによるビーム集束で向上する。

解答…4
・深部の描画は超音波の周波数を低くする

25 心尖部長軸断面の連続波ドプラ波形(別冊No. 6)を別に示す。狭窄前後の最大圧較差はどれか。
1.16mmHg
2.32mmHg
3.64mmHg
4.80mmHg
5.96mmHg

解答…3
簡易ベルヌーイ式:ΔP=4V2
最大圧較差ΔP 最大流速V
波形から最大流速は約4m/sのため、最大圧較差は64mmHgになる

26 心窩部斜走査による上腹部の超音波像(別冊No. 7)を別に示す。矢印で示すのはどれか。
1.肝動脈
2.大動脈
3.下大静脈
4.肝外胆管
5.門脈本幹

解答…3
心窩部斜走査において矢印は下大静脈を示している。

27 下肢静脈超音波検査で大腿静脈に可動性を有する血栓を認めた。
対応で正しいのはどれか。
1.面積狭窄率を求める。
2.ミルキング法で血流を確認する。
3.総腸骨静脈まで血栓範囲を確認する。
4.圧迫法を強く行いながら血流を確認する。
5.パルスドプラ法にて血栓部分の最高流速を測定する。

解答…3
下肢静脈超音波検査
・血栓の有無と範囲を観察する
・圧迫法では静脈に血栓があると内腔が潰れないため、圧迫法を行いながら全長を観察する
・骨盤内の腸骨静脈は圧迫法が使えないため、ミルキング法(大腿部を握って離す)やバルサルバ法(息を吸ってこらえる)で血流を誘発し、カラードプラ法によって血流の有無を確認する

28 聴覚伝導路でないのはどれか。
1.蝸牛神経核
2.上オリーブ核
3.外側毛帯
4.下 丘
5.外側膝状体

解答…5
聴性脳幹反応の波形
Ⅰ:聴神経→Ⅱ:蝸中核→Ⅲ:上オリーブ核→Ⅳ:外側毛帯→Ⅴ:下丘→Ⅵ:内側膝状体→Ⅶ:聴放線

29 水、10mg/dL標準液、血清の終点分析法における反応終了後の吸光度を測定し
たところそれぞれ0.02、0.30、0.16であった。
血清中に含まれる物質の濃度[mg/dL]で正しいのはどれか。

1.5.0
2.5.2
3.5.4
4.5.6
5.5.8

解答…1
10mg/dL標準液の濃度:血清中に含まれる物質の濃度=10mg/dL標準液の吸光度:血清中に含まれる物質の吸光度
血清中に含まれる物質の濃度x、各吸光度から水の吸光度を引いた値を上記の式に当てはめると
10:x=0.28:0.14
x=5.0

計算式がわかりにくい場合は、水と標準液の濃度と吸光度から検量線を引いた以下のグラフを参考にしてください

30 マグネシウムで正しいのはどれか。
1.EDTA加血漿では低値となる。
2.欠乏すると味覚障害を引き起こす。
3.細胞内液より細胞外液に多く含まれる。
4.血清中では90%がイオン型で存在する。
5.ホスホリパーゼDを用いた酵素法にて測定される。

解答…1
・EDTAによって金属はキレートされ、低値になる
・欠乏すると虚血性心疾患を引き起こす
・60%は骨、30%は軟部組織、7%は組織、1%は組織外液に含まれる
・組織外液のうち55%はイオン化型、30%はタンパク結合型、15%は複合型
・酵素法では、ヘキソキナーゼを用いる

31 アガロースゲルを用いたリポ蛋白電気泳動で、β 位とpreβ 位に強い染色像が認
められた。
WHO脂質異常症タイプ分類で考えられるのはどれか。

1.TypeⅠ
2.TypeⅡa
3.TypeⅡb
4.TypeⅣ
5.TypeⅤ

解答…3
アガロースゲルを用いた電気泳動移動位置
CM:原点
VLDL:preβ
IDL:midband
LDL:β
HDL:α
βおよびpreβの位置に強い染色像があるため、LDLとVLDLの増加していると考えられる。

32 尿素で正しいのはどれか。
1.血中濃度は小児が成人よりも高い。
2.ウリカーゼによって加水分解される。
3.消化管出血により血中濃度が減少する。
4.血中非蛋白性窒素の中で最も濃度が高い。
5.生体内でアルドラーゼによって生成される。

解答…4
・生後60日目までは高く、0〜2歳は低くなるが、その後成人と変わらなくなる
・ウレアーゼによって加水分解される
・腎臓の排泄障害(腎不全)や腎実質障害(尿毒症)で上昇する
・基準値は8〜20mg/dL
・肝臓でアルギナーゼによってアルギニンからオルニチンに変換される際に尿素が生成される

33 AST活性測定用試薬(日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法)に含まれないのはどれか。
1.NADH
2.オキサロ酢酸
3.L-アスパラギン酸
4.リンゴ酸脱水素酵素
5.2-オキソグルタル酸

解答…2


34 敗血症マーカーはどれか。
1.KL-6
2.シスタチンC
3.プレセプシン
4.アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉
5.N-アセチルグルコサミニダーゼ〈NAG〉

解答…3
・KL−6_肺炎
・シスタチンC_腎機能評価
・ACE_サルコイドーシス
・NAG_尿細管障害(糖尿病、ネフローゼ症候群)

35 グルコースオキシダーゼ法による血糖測定で利用する酵素はどれか。
1.α-アミラーゼ
2.α-グルコシダーゼ
3.グルコース-6-ホスファターゼ
4.マルターゼ
5.ムタロターゼ

解答…5

36 血中の半減期が最も長いのはどれか。
1.ALT
2.AST
3.CK
4.LD5
5.α-アミラーゼ

解答…1


37 ALPで誤っているのはどれか。
1.ALP1は閉塞性黄疸で上昇する。
2.ALP2はABO血液型の影響を受ける。
3.ALP3は小児期に高値を示す。
4.ALP4は妊娠後期に上昇する。
5.ALP5は食事の影響を受ける。

解答…2
・ALP1(高分子肝型)_閉塞性黄疸で上昇。
・ALP2(肝型)_健常者の主要なアイソザイム
・ALP3(骨型)_健常者の主要なアイソザイム。小児は成人より高い。悪性腫瘍の骨転移、甲状腺・副甲状腺機能亢進症で上昇
・ALP4(胎盤型)_妊娠時に上昇。
・ALP5(小腸型)_肝硬変で上昇。血液型がBまたはO型の人は分泌量が多い。
・ALP6(免疫グロブリン結合型)_潰瘍性大腸炎で上昇


38 ペプチドホルモンはどれか。2つ選べ。
1.アドレナリン
2.アルドステロン
3.カルシトニン
4.サイロキシン
5.副甲状腺ホルモン〈PTH〉

解答…3、5
・アドレナリン_アミノ酸誘導体
・アルドステロン_ステロイド
・サイロキシン_アミノ酸誘導体


39 260nmが極大吸収波長であるのはどれか。
1.DNA
2.尿 酸
3.ビリルビン
4.ヘモグロビン
5.芳香族アミノ酸

解答…1
・尿酸_285nm
・ビリルビン_450nm
・ヘモグロビン_410nm(強吸収)、540nm・570nm(弱吸収)
・芳香族アミノ酸_280nm


40 グルコースのみで構成される二糖類はどれか。
1.スクロース
2.マルトース
3.ラクトース
4.ガラクトース
5.フルクトース

解答…2
・スクロース_グルコース+フルクトース
・ラクトース_グルコース+ガラクトース
・ガラクトース_単糖類
・フルクトース_単糖類

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